<<<  >>>

 鋭角に差し込む日射し。
 思い出したように吹き抜ける風。
寄せて崩れるあの波の音は
 白い景色の僅かに隣り。

*

行ってみたい〜な、よその〜国〜♪

ということで、地中海方面。
ってque2が行ってみたい国挙げてどうするの(笑)、みたいなね。

当店の氷河氏と瞬氏は結構要領よく(?)
グラードの財力を使っているところがあると思うので、
「どこか行きたいなぁ」
「じゃあ、トルコ」
なーんて次の日には行っちゃうような気がする。

でも、ステイはビンボー宿。
(この辺はque2なりの美的感覚なのだが...)

賑わう表通りから1本も2本も奥に入った
薄っ暗い路地の突き当たりある
せせこましい石階段をとかとか上がって、
触ったら崩れちゃうんじゃないかと思うくらいの
オンボロ木製扉をぎーこと開いて、
ちょーっとかび臭いような気がする室内に入って
歩くたびに舞い上がる埃を避けながら
指先で探し当てた壁際の電気のスイッチを押すんだけど、

「 ................氷河、これ、        
  電球が外れてて点かないんだけど.... 」

って、真っ暗けーのけー♪な部屋でぼーぜん....。
しようがないからと手探りで木造の窓をあけたら

すかんっ!

と真っ青な空と海が目の前一杯に...!

思わず二人で
「うわあっ♪」
「ヒュー♪ 」(←口笛)
って、満面の笑み。


「ね、ね、氷河、すごいね、海、海っ!」

なんて半身を乗り出して
キラキラ光る海を嬉しそうに見つめる瞬氏を、
窓枠に片肘をついた氷河氏がこれまた嬉しそうに
眺めているのであった。

「........来て良かったか? 」
「すっごく! 」

振り返った瞬氏の瞳はきっと
水面の輝きが移ったのかと思うくらい
輝いているに違いないね♪

たぶん、それを見つめる氷河氏の瞳の中にも
同じ輝度が生まれているに違いないよ。