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昇る月を、君が纏う。
その輪郭に細やかな輝きを携えて。

ほら、きれいだね、と
その頬が嬉しそうに振り返れば、
目の端で軽く同意してみせる。

この幻想的な景色の 
鑑賞のマナーである。

*

上の詩ではうまく表現できなかったので補足。

夜、月、瞬を一枚の絵として眺める氷河氏。
その唯一の鑑賞者として今ここにいると認識しているので、
その世界の幻想性を壊さないように、瞬氏の言葉に無言で答えたよ、
ということです。くどいな。

自分の声を「あぁ」とか「おお」と発した瞬間、
この“絵”が壊れてしまうと思ったのでしょうね。

でも、その“絵”の中のただひとりの人間は、
振り返り、真っ直ぐその鑑賞者を瞳の中に捉えているのですけれど...。