ふぅ ほぅ と舞う 明滅の奥行き
消失点は揺れ 幻想は拡散する
*
ほ、ほ、ほーたるこい♪
蛍。
城戸邸の裏山にね (どこですか、それ、とか言ってはいかん) 小さいけれど、澄んだ、綺麗な小川が流れているのです。
そこは、毎年6月の雨上がりの夜に 淡い光をお尻に灯した蛍たちが 無数に飛び交う、絶景の場所。 それはまさに幻想の世界。
「氷河、氷河、蛍見に行こうよ! 」
なんて、夜のお屋敷を抜け出して その光の乱舞を見に行く二人でした。 あ、でも、確か蛍ってあまり遅い時間帯は いなかったんじゃなかったっけな。 夕食時を抜け出して、に訂正。
「綺麗だな」 「綺麗だね」
思わず目を細めて、幻惑の世界に浸る二人。
蛍、綺麗だものね...。
.........でも、春先までの小川は 蛍の幼虫がうじゃうじゃしているんだよね。
........嫌すぎるかも...。